日本アニメ産業の強さの秘密を探る

2010年代の発売

国内だけではなく海外でも高い評価を受けている日本のアニメ産業。
広義のアニメ市場は2019年まで10年続伸しています。
※参考資料:一般社団法人日本動画協会HP


アニメ産業は日本の輸出産業としても極めて有望であり、輸出額も右肩上がりで伸びています。
この強さの秘訣は何でしょうか?

【良書紹介】オタク経済圏創世記

書籍タイトル:オタク経済圏創世記 GAFAの次は2.5次元コミュニティーが世界の主役になる件
著者:中山淳雄
発売日:2019年11月

コンサル会社やアミューズメント産業を経てブシロード(新日本プロレス親会社)執行役員の著者が書いた本です。
マンガ・アニメ・ゲーム・プロレスなどのオタク産業を昭和時代から紐解いて現在の盛況を分析している意欲的な書籍です。
本書を読むと日本のアニメ産業が突然ブレイクした訳ではなく、歴史から眺め必然の結果なのかとも思えてきます。

黎明期 1970年ごろ 少年漫画の時代

湘南漫画雑誌は、小学生のお小遣いで購入可能な価格で出版を続けていました。
当時人気のあった少年サンデーや少年マガジンなどのマンガ雑誌は出版社としても採算に合わない事業で常に赤字体質でした。
また、クリエイターであるマンガ家にとっても低賃金で過酷な労働環境でした。
逆説的になりますが、低価格でコストパフォーマンスの良い娯楽の提供のため、少年雑誌の発行部数は拡大を続けます。
皆さんも子供のころ買いに走った思い出があるのではないでしょうか。

赤字体質のマンガ雑誌はクリエイターを目指す者にとっても貴重なアウトプットの場であり、
出版社としてもクリエイターの発掘や実験場所としても重要な意義を持つ場になりました。

その後クリエイターや制作会社など関係各所の努力の結果、マンガのアニメーション化が進み子供だけではなく大人まで含めた上質な娯楽として国民に浸透します。

ライブコンテンツ化とは、

マンガ、アニメ、キャラクター商品、ゲーム、イベントのメディアミックスを駆使して注目を集めるだけではなく、興味を維持し続ける仕組みを実践します。
原作マンガの人気に火がつき、映画化されたコンテンツも多くあります。

皆さんご存じのポケモンを筆頭にアニメから派生したゲームも数多く存在します。
アニメ映画やゲームなどは構想開発から世に出るまで数年間の時間がかかります。
その間に注目を維持し続けるため、キャラクターグッズ・声優・タレントなどを巻き込みながら緻密で用意周到なシナリオを長期間にわたってオペレーションし続ける仕組みが、ライブコンテンツ化です。


実はこのオペレーションにも日本独自の運営が見られます。

コンソーシアム型の運営

映画などのクレジットで「〇〇製作委員会」と見かけた方も多いのではないでしょうか。
アニメ映画などの作品を作る際に、巨大企業の単独出資ではなく複数の利害関係者が出資する方式のことを制作委員会方式と呼びます。コンテンツを制作する現場と企画運営の企業が得意分野と様々な資源を持ち寄りすり合わせ作業で大ヒット作品を誕生させます。
ディズニー社などとは違い中小企業が多い日本の産業構造に合致したモデルだと思えます。

これから読む方へ

日本のアニメ産業はディズニーにような巨大企業により強者のマーケティングではありません。
ライブコンテンツ化など先進的な取り組みを協同組合的なコンソーシアム型で運営しています。

中小企業にも経営のヒントになる内容が盛りだくさんです。
ぜひ手に取っていろいろな思考を巡らしてみてください。

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